ミニファイル PBR算出時の自己株の扱い

( 39頁)

東証による「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の要請を受け、プライム・スタンダード市場の企業による取組み等の開示が進んできた。PBR(株価純資産倍率)1倍未満の企業では、成長投資や株主還元の強化などPBRの改善に向けた取組みを打ち出しており、投資家からも前向きに評価する声があがっている( 8頁参照 )。

他方で、企業が公表したPBRの数値と投資家が算出した数値が異なる事例もあり、PBRの計算方法が「適切でない」と指摘する声もある。

一般的にPBRは①株価÷1株当たり純資産(BPS)で計算するが、②時価総額÷純資産で計算する方法もある。②の場合、分子の時価総額は株価×発行済株式数で算出す...