<INTERVIEW>町田祥弘 日本会計研究学会会長 ~会社法と金商法の2制度並立の解消が本筋ではないか

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本誌では、昨年10月に日本会計研究学会の会長に就任した町田祥弘氏(青山学院大学大学院会計プロフェッション研究科教授)にインタビューを行い、会計基準・サステナビリティを巡る国内外の動向やAIの活用、学会の今後の展望などについて話を聞いた(インタビューは4月14日に実施した)。

会計基準及び関連制度について

―最後の大物基準と見られていた新リース会計基準が昨年9月に完成しました。今後の基準開発を巡る我が国の動き、国際対応等についてどうご覧になっていますか。

国際対応という点では、リースほど大きなテーマはないかもしれませんが、これからも対応が必要となる会計基準は出てくると思います。例えば、昨年4月にIFRS第18号「財務諸表における表示及び開示」が公表されましたが、日本にとっては、現行の「特別損益」の取扱いや「経営者が定義した業績指標(MPM)」をどうするのかといった問題が課題でしょう。今後も経済実態の変化に応じて新たな会計問題が生じることも想定されます。

一方で、財務報告全体を俯瞰すれば、会計や監査の背景となっている日本の法制度や慣行の見直しが俎上に載せられるようになっていくと思います。例えば東証...