有価証券報告書の「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析（MD＆A）」は、経営方針と並び、投資家が重視する開示項目の一つだ。金融庁が公表した「記述情報の開示の好事例集2024」でも、要望を受けて２年ぶりに好事例が追加されている。

開示にあたっては、自社の置かれている環境に対する認識やその評価、対応の方向性などを、経営者自らの言葉で具体的に説明する必要がある。これまでの事例を見てみると、ROE・ROICといった財務指標の分析結果を示す例が多い。大和ハウス工業（東プ、建設業）は「ROE13％以上」という目標とその推移、ROIC向上への取組みなどを示している（2024年３月期...