会社計算規則の一部を改正する省令の解説-令和7年法務省令第14号-

法務省民事局参事官室局付  原 哲也
前法務省民事局参事官室局付  昔宮 彩弥香

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Ⅰ はじめに

2025年3月31日、会社計算規則の一部を改正する省令(令和7年法務省令第14号。以下「本省令」という。)が公布され、同日、施行された。

本省令は、企業会計基準委員会(以下「ASBJ」という。)が2024年9月13日、企業会計基準第34号「 リースに関する会計基準 」(以下「本会計基準」という。)及び企業会計基準適用指針第33号「 リースに関する会計基準の適用指針 」(以下「本適用指針」という。)を公表したことを受けて、会社計算規則(平成18年法務省令第13号)の改正をするものである。

本稿は、本省令の概要について解説するものであるが、本稿で示されている意見にわたる部分は、筆者らの個人的な見解であり、法務省の公式見解を示すものではない。

Ⅱ 本省令の概要

1 改正の背景

我が国のリースに関する会計基準については、2007年3月にASBJが、当時の国際的な会計基準と整合的なものとするため、企業会計基準第13号「リース取引に関する会計基準」及び企業会計基準適用指針第16号「リース取引に関する会計基準の適用指針」をそれぞれ公表した。しかし、2016年1月に国際会計基準審議会(IASB)により国際財...