ゼロから学ぶ 新リース会計基準 第9回 借手の会計処理① ルールの全体像

 公認会計士・税理士 内田 正剛

( 26頁)

新リース会計基準では、借手のリースの会計処理が大きく変更されています。従来の基準では、オペレーティング・リース取引の場合、賃貸借取引に準じた会計処理が求められていますが、これからは、借手はリースの分類にかかわらず資産・負債計上することになります。「リース資産」という勘定科目が、「使用権資産」に変わるのも大きなポイントです。

そこで今回からは、借手のリースの会計処理について解説します。まずは、借手の会計処理の全体像についてお伝えします。詳細については、第10回以降で説明していきます。

●連載の内容(※隔週掲載)

回数 概要
第9回 借手の会計処理① ルールの全体像
第10回 借手の会計処理② 借手のリース料
第11回 借手の会計処理③ 現在価値計算
第12回 借手の会計処理④ 利息費用の配分、減価償却

※以下第18回まで続く。連載の全体像は 第1回 をご覧ください。

1.借手の会計処理のポイント

(1)従来基準の概要

従来の基準では、リース取引をファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引の2つに分類し、前者は売買取引的な会計処理(資産・負債を計上)を、後者は賃貸借取引に準じた会計処理(発生時に費用を計上)を行い...