ゼロから学ぶ 新リース会計基準 第10回 借手の会計処理② 借手のリース料

 公認会計士・税理士 内田 正剛

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借手にとってリース料とは、「リースの対象資産を借りた対価として貸手へ支払う金額」というイメージかと思います。確かにその通りではあるのですが、新リース会計基準では、借手のリース料の意味や中身について定義しています。そこで今回は、「借手のリース料」について、リース負債との関係と併せて解説します。

●連載の内容(※隔週掲載)

回数 概要
第9回 借手の会計処理① ルールの全体像
第10回 借手の会計処理② 借手のリース料
第11回 借手の会計処理③ 現在価値計算
第12回 借手の会計処理④ 利息費用の配分、減価償却

※以下第18回まで続く。連載の全体像は 第1回 をご覧ください。

1.借手のリース料とは

(1)定義

まず、借手のリース料とリース負債、使用権資産の関係について再確認しておきましょう(図1)。借手のリース料とは、リースの対象資産を借手のリース期間にわたって使う権利を手にする見返りとして、借手が貸手に支払う金額のことです。図1にあるように、借手のリース料はリース負債を算定する基礎になっていることがわかります。具体的には、リース開始日に未払の借手のリース料の割引計算を行って、リース負債を算定します。

【図1】借手のリー...