<IFRS COLUMN>暖簾に腕押し 第137回 リース(16)

 国際会計基準審議会(IASB)前理事 鶯地 隆継

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花形満のナゾ

『巨人の星』は、1966年に講談社の少年漫画雑誌『週刊少年マガジン』に連載されたスポーツ漫画で、原作を梶原一騎さんが、作画を川崎のぼるさんが手がけた。この作品のストーリーは、星飛雄馬という主人公が元プロ野球選手の父親の猛特訓を受けて大リーガー(MLB選手)並みの豪速球を投げるようになり、読売巨人軍に入って活躍するというものである。当時の巨人は長嶋選手や王選手の全盛期であり、日本シリーズ9連覇を達成している最中であった。テレビ中継されていたカードのほとんどが巨人戦であった為に、日本人の大多数が巨人ファンだったといっても良いような時代だった。

しかし主人公の星飛雄馬には宿命のライバルがいた。その人の名は花形満(はながた・みつる)という。この花形満という人物は謎の多い人物である。星飛雄馬がまだ中学生の頃に花形満と出会うのだが、彼は颯爽とオープンカーに乗り付けて登場したのである。随分と年上の人物かと思いきや、その後、星飛雄馬と花形満は甲子園大会の決勝戦で顔を合わすことになる。設定では、花形満は星飛雄馬より2歳年上。オープンカーで登場したのは、自分が運転していた訳ではなく、お抱えの運転...