IFRSをめぐる動向 第169回 「無形資産」プロジェクトの最近の動向(2025年3月および5月IASB会議における審議)
PwC Japan有限責任監査法人 公認会計士 竹内 督
Ⅰ.はじめに
本連載は、主に国際会計基準審議会(IASB)の月次会議等における討議内容に基づき、IFRSをめぐる最新の動向を伝えることを目的としています。今回は、2024年4月にリサーチ・プロジェクトに追加された、「無形資産」プロジェクトについて、2025年3月及び5月に開催されたIASB会議における審議の内容を中心に説明します。
なお、本稿の内容は今後のIASBの審議状況によって変更される可能性があり、文中の意見にわたる部分は筆者の私見であることをあらかじめお断りします。
2.本プロジェクトの概要
2022年の第3回アジェンダ協議におけるフィードバックを踏まえて、IASBはIAS第38号「無形資産」の包括的見直しをリサーチ・パイプラインに含め、将来のリサーチの候補として位置づけました。IASBは、その後の2024年4月の会議で、このプロジェクトをリサーチ・プロジェクトとして開始しました。その会議では、第3回アジェンダ協議からのフィードバックの振り返り、各国の基準設定機関による研究の概要、学術文献のレビュー、プロジェクトの初期作業計画についても議論されました。
その後、2024年10月以降のIA...
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