ココが知りたい!新リース会計基準Q&A 第2回

有限責任 あずさ監査法人 公認会計士 植木 恵

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前回( No.3711 )は、リースの識別についてお話ししました。リースの識別をどう考えるかはなかなか難しく、適宜、スクリーニングをかけた後で、残った契約につき、基準の読み方に慣れた人が検討する、というのが現実的です、というお話をしました。

今回は少額リースの考え方について説明します。

少額リースというと「...所詮重要性の話でしょ?」と言われそうですが、「契約がリースを含むかまじめに検討しなければならない」契約をスクリーニングするという観点からは、重要な視点です。少額リースにあたるのであれば、一生懸命検討してリースかどうかを考えたところで、会計処理にも注記にも何の影響もないためです。

なお、以下、意見に係る部分は筆者の個人的な見解であることをお断りしておきます。

Q1

少額リースの基準としては2つあり、1つ目は「借手のリース料が、重要性が乏しいとして購入時に償却性資産を費用処理している場合の基準額以下」ですが、もう1つは2つの選択肢(いわゆる、300万円基準と5000米ドル基準)から選ぶとなっています。「どちらの範囲が広いかは一概に言えない」とありますが、300万円と5000米ドルでは金額にかなりの差...