Q&Aコーナー 気になる論点(395) 経営者による説明(3)
早稲田大学 大学院会計研究科 教授 秋葉 賢一
Q 国際会計基準審議会(IASB)が2025年6月23日に公表した改訂IFRS実務記述書第1号「経営者による説明」(以下、「改訂版」という)において、経営者による説明は、一般目的の財務報告書(以下、単に「財務報告書」という)の一部であるとしています。このため、改訂版は、「財務報告に関する概念フレームワーク」(以下、単に「概念フレームワーク」という)の質的特性と整合的に定められているのでしょうか。 |
A
改訂版では、概念フレームワークで示す基本的な質的特性のうち「レリバンス」については、簡素化のため、レリバンスの企業固有の側面である「重要性」のみに言及し、また、「忠実な表現」の包括的な特性には直接言及せず 、その3つの要素(完全性、中立性、誤謬がないこと)に関する指針を提供することとしています。
〈解説〉
財務報告書と経営者による説明との関係
改訂版において、経営者による説明は、[図表1]を提供するとしています(3.1項)。
[図表1]経営者による説明において提供すべき情報(経営者による説明の目的)
(1)財務諸表において報告された財務業績や財政状態についての利用者の理解を高める情報(2)長期を含むすべ...
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