<INTERVIEW>吉川和美氏~女性会計士に聞く、社外役員という生き方

 2030年までに女性役員比率を30%に引き上げるという政府目標のもと、取締役会の多様性を求める動きが加速している。本誌では、上場企業の社外取締役等として活躍されている公認会計士の吉川和美氏に、これまでのキャリアや働き方などを伺った。

――社外役員に就任するまでのキャリアを教えてください

大手監査法人から事業会社に転職し、その後、社外役員に就任しています。

大手監査法人時代は、売上が100億円台から1,000億円くらいの会社の監査を担当していました。上場準備などスタートアップ企業の支援にも携わっており、監査法人の中に女性ベンチャー支援室を立ち上げた経験もあります。

ずっと監査法人にいてもよかったのですが、事業会社に転職するのであれば最後のタイミングかなと思い、50歳直前で有機野菜のスタートアップに転職しました。

――どうして転職しようと考えたのですか?

もともと「会計の専門性を通じて企業を強くしたい」という想いを持っていました。転職を考えるようになったのは、スタートアップ支援を行う中で、制度会計と経営の現場との間にある深いギャップを感じたからです。そのギャップを埋めたい、より企業の根本に近い場所で貢...