ハーフタイム 管理職、専門家の「懐疑心」
「懐疑心」という言葉は、監査専門家に関連して取り上げられることが多い。しかし、この心構えは、何も専門家に限らず、管理職としても重要であろう。ある事実について高度な経験や判断能力を駆使することで、未然にミスを防ぐことに繋がるからである。
監査基準では、懐疑心を「誤謬又は不正による虚偽表示の可能性を示す状態に常に注意し、監査証拠を鵜呑みにせず、批判的に評価する姿勢」と定義している。だが、基準や論文などで種々懐疑心について触れているが、多くは精神論にとどまっている。「~すべきである」「~に留意すべきだ」「事務所の体制は~である」等々。実務の場では精神論だけでなく、具体的な対応策が必要であろう。ここでは、そのほんのさわりとなりそうな点に触れてみたい。
①FRCでは心理的側面にも言及
英国の監査業務等の監視当局FRC(財務報告評議会)は、監査人の懐疑心に関連した文書で、心理的側面についても触れている。「確証バイアス」など、いくつかの心理学的用語を懐疑心に関連して列挙している。
懐疑心を発揮するには、少なくとも精神論ではなく、心理学という科学的根拠に基づいて検討することが実務に役立ちそうである。
②「確証バ...
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