会計基準の長い日々 第16回 トラックいっぱいのテーマ~伝説の第1回テーマ協議会
公認会計士 西川 郁生
第1回テーマ協議会開催
第1回のテーマ協議会が開催されたのは、財団設立から3カ月経過した2001年11月1日だった。委員会で議論すべきテーマは委員会自身が採択する。テーマ協議会は、それに先駆けて市場参加者から広くテーマに関する要望を受付け、それを整理して委員会に提言する組織である。テーマ協議会の提言がなくても委員会は独自にテーマを決定できる。だが、テーマの優先順に偏りがある、などの批判を避ける意味では、協議会の提言を受けて決定する方が望ましいと考えられた。
できればテーマ協議会は委員会とほぼ同時に8月に始動することが望ましかった。だが、設立準備の段階では財団運営機関である理事会や評議員会の構築が優先され、テーマ協議会は3カ月出遅れる形となった。テーマ協議会は外部委員のみからなる。その選考が財団理事会で確定したのは、第1回会合当日の1週間前だった。
第1回会議で委員の互選により、JICPA元会長の川北博氏①が議長に就任した。当日は、各委員が、母体のJICPA、経団連、アナリスト協会などで集約したテーマ案をぶつけてきた。会議の11日後、審議内容をまとめたテーマ協議会からの提言書が、斎藤委員長宛に...
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