Q&Aコーナー 気になる論点(396) 経営者による説明(4)
早稲田大学 大学院会計研究科 教授 秋葉 賢一
Q 国際会計基準審議会(IASB)は、2025年6月23日に、改訂IFRS実務記述書第1号「経営者による説明」(以下、「改訂版」という)を公表しました。この改訂版では、経営者が無形の資源及び関係に関する事項を開示するかどうかを決定する際に考慮する必要がある要求事項とガイダンスの概要を提供しています。これは、IAS第38号「無形資産」の見直しとどのような関係にあるのでしょうか。 |
A
IASBでは、IAS第38号を包括的に見直す無形資産プロジェクトを、2024年4月以降、リサーチ・プロジェクトとしており、利用者の情報ニーズに関する評価が完了した時点で、開示要求の改善を検討するとしています。これにより、改訂版によって開示される経営者による説明の状況や、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)の人的資本プロジェクトの進捗状況を考慮することができると考えられています。
〈解説〉
経営者による説明(1)-開示される情報①
改訂版では、経営者による説明は、[図表1]の情報提供を目的(objective)としています(3.1項)。
[図表1]経営者による説明の目的
●財務諸表において報告された企業の財務業績や財政...
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