Q&Aコーナー 気になる論点(398) 後発事象の会計基準案-特例的な取扱い-
早稲田大学 大学院会計研究科 教授 秋葉 賢一
Q 企業会計基準委員会(ASBJ)は、2025年7月8日に、企業会計基準公開草案第87号「後発事象に関する会計基準(案)」(本会計基準案)及び企業会計基準適用指針公開草案第87号「後発事象に関する会計基準の適用指針(案)」(本適用指針案)を公表し、2025年9月12日までコメントを募集していました。本会計基準案では、原則として、重要な修正後発事象については財務諸表を修正するものの、本適用指針案では、修正後発事象が会社法における計算書類に関する確認日後に発生した場合には、開示後発事象に準じて取り扱うという「特例的な取扱い」を提案していました。これは、会計基準の内容を適用指針で上書きするものであり、適当ではないと考えられますが、どうでしょうか。 |
A はい、企業会計基準適用指針において特例的な取扱いを定めることは、その役割を超えると考えられます。特例的な取扱いは、わが国固有の状況とされる計算書類と有価証券報告書を一本化(又は一体開示)すれば解消するため、その状況に至るまで企業会計基準の経過措置とすることが適切であると思われます。
〈解説〉
経緯(1)-2010年の基準開発
わが国では、従来、国際的な...
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