「令和6年度 開示検査事例集」の公表について

証券取引等監視委員会事務局 開示検査課 課長補佐 篠原 美奈
証券取引等監視委員会事務局 開示検査課 係長 岩元 美映

1.はじめに

証券取引等監視委員会(以下「証券監視委」という。)は、令和7年6月30日に「令和6年度 開示検査事例集」を公表した

開示検査事例集は、市場関係者の皆様に適正な情報開示に向けた取組を積極的に行っていただけるよう、毎年、証券監視委による開示検査の最近の取組や、開示検査によって新たに判明した開示規制違反の内容、その背景・原因及び是正策等の概要を中心に紹介しており、今回の事例集より、対象期間を事務年度(7月~翌年6月)から年度(4月~翌年3月)に変更している。

今般公表した開示検査事例集では、令和6年度(令和6年4月から令和7年3月まで)に実施した開示検査の概要や、開示検査によって開示規制違反が認められ課徴金納付命令勧告を行った事例のほか、証券監視委から不正会計の疑義を指摘された上場会社が指摘を踏まえて設置した調査委員会の調査を経て開示書類の自主訂正を行った事例等、さまざまな事例を積極的に紹介している。

さらに、監視委コラムにおいては、開示実務の参考となるよう、最近の大量保有報告制度を巡る動きや財務諸表の注記の必要性等、特徴的な勧告事例に関連した内容や、開示検査を通じてクローズアップ...