Q&Aコーナー 気になる論点(400) デリバティブの会計処理の適用範囲-FASBの改正基準-
早稲田大学 大学院会計研究科 教授 秋葉 賢一
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Q 米国財務会計基準審議会(FASB)が2025年9月30日に公表した会計基準更新書(ASU)第2025-07号「デリバティブ及びヘッジ(トピック815)並びに顧客との契約から生じる収益(トピック606):デリバティブの範囲の精緻化及び収益契約における顧客からの株式ベースの非現金対価に関する範囲の明確化」では、デリバティブの定義を満たす場合でも、デリバティブの会計処理の適用除外を拡大しています。これは、なぜでしょうか。 |
A FASBは、利息・税金・減価償却費・償却費控除前利益(EBITDA)や当期純利益を原資産とする契約や、研究開発の資金調達契約、ESG指標に連動する金融商品などが、トピック815の適用除外となるかどうかを判断するために多大なコストが発生しているなどの関係者の懸念に対応するためとしています。
〈解説〉
米国基準(1)-デリバティブの定義
現物商品などの一次金融商品(primary financial instruments)から派生したデリバティブは、以下の3つの特徴を有する契約です(815-10-15-83) ① 。
(1)原資産(underlying)、想定元本(notional...
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