新償却・引当基準の概要及び邦銀実務に与える影響(前編)
株式会社三井住友銀行 米州経営管理部 副部長 黒田 康平
株式会社三井住友銀行 財務企画部 上席推進役 渡辺 真一郎
( 26頁)
【目次】
| 項目 | 掲載号 |
| 1.公開草案の概要 | 本号 |
| 2.ECLモデル | |
| 3.ECLモデルの前提となる償却原価と付随する手数料の取扱い | 次号
No.3732 |
| 4.貸付金以外の金融商品へのECLモデルの適用とそれに伴う会計処理等の変更 | |
| 5.注記事項 | |
| 6.適用時期及び経過措置 | |
| 7.今後の対応 |
企業会計基準委員会(以下、「ASBJ」という)は、2008年の金融危機以降、国際的な会計基準の見直しが進展する中で、金融資産の減損に関する会計処理の透明性及び比較可能性の向上を目的として、予想信用損失(以下、「ECL(Expected Credit Loss)」という)モデルの導入に向けた検討を継続してきた。この検討を踏まえ、ASBJは2022年4月より、ECLモデルに基づく日本の会計基準の開発に着手し、2025年10月に企業会計基準公開草案第89号「金融商品に関する会計基準(案)」等(以下、「公開草案」という)を公表した。
公開草案の策定にあたっては、特に大手金融機関を念頭に、IFRS第9号「金融商品」(以下、「IFRS第9号」という)との整合性を重視し、国際的な財務報告との比較可能性を確保することを目指している。IFRS第9号との...
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