M&Aの経理実務を時系列で理解する 第4回 クロージング前から始めるPMI経理実務

―会計処理・決算対応の要点―

株式会社Stand by C 公認会計士 飯田 藍子

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はじめに:経理部門でのPMIはクロージング前から始まっている

1.総論

本連載は、M&Aという取引が成立した「その後」に、経理部門が担う一連のプロセスを体系的かつ一気通貫で解説することを目的としている。買収後は初回連結・開示、続いてPPAや減損テスト、過年度遡及など複数の論点が生じるが、これらの個別テーマを取り扱った書籍や記事は存在するものの、M&A後工程全体を体系的に整理した資料は多くないのが実情である。

上場企業の経理部門は四半期ベースで決算業務を遂行しており、常にタイトなスケジュールの中で業務を進めている。この状況でM&A後の追加的な作業が発生すれば、負荷が増大する。あらかじめ全体像を押さえて準備を進めておくことで、判断の誤りや現場の混乱を防ぐことができる。

2.PMIの全体像と経理部門の3フェーズ

本稿では、M&A後工程の中で経理部門が最初に直面するPMI(Post Merger Integration)に焦点を当て、次の3つのフェーズに整理して論じる。

フェーズ1: クロージング前にできる事前準備
フェーズ2: クロージング後の初期対応
フェーズ3: クロージングBS(取得日BS)の確定

※今回はフ...