IFRSをめぐる動向 第172回 リスク軽減会計に関する公開草案
PwC Japan有限責任監査法人 公認会計士 川西 昌博
1.はじめに
本連載は、主に国際会計基準審議会(IASB)の月次会議における討議内容に基づき、IFRS会計基準をめぐる最新の動向を伝えることを目的としています。本稿では、IASBが2025年12月に公表した公開草案「リスク軽減会計」(IFRS第9号「金融商品」及びIFRS第7号「金融商品:開示」の修正案)の主な内容を紹介します。なお、文中の意見にわたる部分は、筆者の私見であることをあらかじめお断りします。
2.背景
銀行などの金融機関は、金融資産・負債の入替えが生じるオープン・ポートフォリオを対象として純額ベースで金利リスク管理を行っているため、現行のIFRS第9号におけるヘッジ会計の要求事項の適用が困難であると認識しています。
この点、現行のヘッジ会計の適用にあたっては、IFRS第9号又はIAS第39号「金融商品:認識及び測定」の要求事項を選択適用でき、さらに一部の欧州の銀行は、IAS第39号を選択したうえで、EUにおいて認められているIAS第39号のカーブアウトを使用し、要求払預金にも適用可能なマクロヘッジ会計を適用しています。
IASBは、このような状況や投資家からの情報ニーズに鑑み、銀行...
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