特別寄稿 上場制度を巡る2025年の回顧と2026年の展望

東京証券取引所 上場部長 渡邉 浩司

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Ⅰ はじめに

株式会社東京証券取引所(東証)では、2022年4月の市場区分再編後、同年7月に設置した「市場区分の見直しに関するフォローアップ会議」(フォローアップ会議)において、上場会社各社の中長期的な企業価値向上を支えていくための方策について継続的に議論を行っている。

フォローアップ会議における検討を踏まえ、2023年3月には、プライム市場、スタンダード市場の上場会社に向け「資本コストや株価を意識した経営」の要請を行っており、これに関連する内容として、IR体制の整備義務化、親子関係・持分法適用関係にある上場会社等に関する取組みおよびMBOや支配株主による完全子会社化に関する企業行動規範の見直しなどを進めている。また、これらと並行して、グロース市場を「高い成長を目指す企業が集う市場」とし、まさに「グロース」というキャラクターを追求していくべく、グロース市場改革も進めている。

本稿では、これらのテーマを中心に、2025年中における上場制度上の取組みを振り返るとともに、今後の展望についても可能な範囲で言及することとしたい。

Ⅱ 上場制度上の取組み

1.資本コストや株価を意識した経営の推進

2023年3...