経理目線による内部統制報告書の事例分析 第2回 業務プロセスに係る内部統制①~企業の実態や置かれた環境等を反映した好事例

Forvis Mazars Japan 有限責任監査法人 公認会計士 高田 康行

1.はじめに

本連載では、2025年3月期の内部統制報告書の記載項目のうち、2023年基準改訂が集中している「評価の範囲、評価時点及び評価手続」の好事例を抜粋して取り上げます。

今回は、「業務プロセスに係る内部統制」について、企業の実態や置かれた環境等を考慮して評価範囲を決定した好事例を4つ紹介します。


【事例a‐1】LINEヤフー-質的重要性の観点からの事業拠点の追加-

【事例a‐2】西武ホールディングス-損益構造と事業特性の反映-

【事例a‐3】日立建機-成長戦略の反映-

【事例a-4】日清食品ホールディングス-IT利用の売上収益と棚卸資産への対応-


事例には参照リンクを添付しています。内部統制報告書の記載例として参考になるため、是非、原文もご確認ください。【凡例】は、 第1回 を参照ください。

なお、本稿の意見にわたる部分は、筆者が属する法人の見解ではありません。

2.好事例を読む前に

(1)評価範囲の決定プロセスと業務プロセスに係る内部統制

評価範囲の決定プロセスの全体像は、図表1のとおりです。

【図表1】基準等が定める「財務報告に係る内部統制の評価・報告の流れ」(一部)

このうち業務プロセスに係る内部統制...