〈2026年3月期決算〉記述情報の好開示のポイント(前編)

金融庁 企画市場局 企業開示課 企業財務調査官 高橋 敦子
金融庁 企画市場局 企業開示課 企業会計専門官 白月 秀和
金融庁 企画市場局 企業開示課 係長 瀬尾 優典

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1.はじめに

企業情報の開示は、投資家の投資判断に必要な情報を提供することを通じて、資本市場における効率的な資源配分を実現するための基本的なインフラであり、投資判断に必要とされる情報を十分かつ正確に、また適時に分かりやすく提供することが求められます。

金融庁では、ルールへの形式的な対応にとどまらない開示の充実に向けた企業の取組みを促すため、「記述情報の開示に関する原則」 を公表するとともに、開示の好事例を浸透させるため、「記述情報の開示の好事例集」 (以下、「好事例集」といいます。)の公表・更新を行っています。

好事例集の公表にあたっては、投資判断にとってより有益な情報が提供されることを念頭に、開示が進んでいると考えられる企業には、更なる開示の充実を図っていただくこと、これから取り組む企業には、開示の底上げに役立てていただくことを目的として取組みを進めています。

本稿では、各開示項目の参考となる開示例を含め、好事例集の内容を紹介しつつ、2026年3月期以降における記述情報の好開示のポイント、開示の留意点等について紹介します。

なお、本稿中の図表は好事例集から部分的に抜粋したものですので、好事例集...