経理目線による内部統制報告書の事例分析 第6回 重要な選定漏れの回避~一定比率と評価対象外の記載が丁寧な好事例

Forvis Mazars Japan 有限責任監査法人 公認会計士 高田 康行

1.はじめに

本連載では、2025年3月期の内部統制報告書の記載項目のうち、2023年基準改訂が集中している「評価の範囲、評価時点及び評価手続」の好事例を抜粋して取り上げます。

今回は、「重要な選定漏れを回避する」という明確な意思が読み取れる好事例を紹介します。その意思を読み取るコツは、一定比率と評価対象外の記載内容にあります。


【事例e-1】アイリッジ-対象外の慎重な検討-

【事例e-2】CKD-リスクベースでの事業拠点の網羅的な検討-
第4回 【事例c-1】参照)

【事例e‐3】共立メンテナンス-多様な業種を営む事業特性への対応-

【事例e-4】日本郵船-内部統制委員会と取締役会の役割分担-


事例には参照リンクを添付しています。内部統制報告書の記載例として参考になるため、是非、原文もご確認ください。【凡例】は、 第1回 を参照ください。

なお、本稿の意見にわたる部分は、筆者が属する法人の見解ではありません。

2.好事例を読む前に

(1)一定比率と対象外

全社的な内部統制は、原則すべての事業拠点が対象ですが、実務上は、財務報告に及ぼす影響の重要性を僅少と判断した事業拠点は対象外となる場合が多いです。また、全社的...