会計基準の長い日々 第32回 2004年 概念フレームワークの洋々たる船出(その2)~リスクからの解放

 公認会計士 西川 郁生

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学者メンバーの基本方針

学者メンバーはASBJでの基本概念ワーキング・グループの公式会議に先立って、まず、彼らの内部で非公式な打合せを行い、素案作りをしていた。そこでの議論をリードしたのは大日方教授とされる。そしてペーパーの起草を主として行ったのは米山教授とみられた。米山氏は、概念プロジェクトが動き出す前から、ASBJの客員研究員として週1回事務局に出勤 していた。スタッフから米山氏への質問や相談も多かった。「研究者に聞く事柄ではないだろう」と思うような質問にも、米山氏は何かしらの知見を披露してくれる。その意味でASBJスタッフにとって米山氏は得難い存在になっていた。

学者メンバーのペーパー作りの基本方針は、構成を米国FASBの概念フレームワークに倣ったうえで、表現は簡素化する、というものだった。話の中身のレベルを維持しつつ簡素化するのは簡単なことではないだろうと思えた。

ペーパーの構成は、「財務報告の目的」「会計情報の質的特性」「財務諸表の構成要素」「財務諸表における認識と測定」の4つの章からなる。この構成はFASBに倣ったという。

討議資料 第1章「財務報告の目的」

「財務報告の目的」は、証...