Q&Aコーナー 気になる論点(415) 退職給付信託の返還の会計処理-返還損益の認識-
早稲田大学 名誉教授 秋葉 賢一
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Q 2026年5月25日付の日本経済新聞朝刊では、ある企業が退職給付信託の一部の返還を受け、「退職給付信託返還益」として計上する予定と報じていました。返還損益が生じるのは、なぜでしょうか。 |
A
退職給付信託の返還額に対応する未認識数理計算上の差異は、一時の費用としない理由は失われていると考えられることから、返還時に損益として認識します。このため、未認識数理計算上の差異が貸方残高の場合、退職給付信託返還益が計上されます。
<解説>
近年の積立状況
近年の株価の上昇による年金資産の増加や金利上昇による退職給付債務の減少に伴い、積立超過(年金資産が退職給付債務を超えること)が生じており、年金資産を事業主へ返還する事例が見られます。三菱UFJ年金ニュース(2026)によれば、2024年度の積立比率は102.5%であり、未認識数理計算上の差異は約5.6兆円(貸方残高)でした([図表1])。
[図表1]積立比率の推移(三菱UFJ年金ニュース(2026,4頁)を一部加工)
2022年度2023年度2024年度積立比率(A/B)(*1)87.5%98.3%102.5%A 年金資産68.2兆円75.5兆円73.2兆円...
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