会計基準の長い日々 第36回 ストック・オプション(SO)(その1)~米国における長年の課題

 公認会計士 西川 郁生

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SO会計は大きなコンバージェンス・プロジェクト

ストック・オプション(SO) 会計は、2001年11月の第1回のテーマ協議会で短期項目かつ優先度1に挙げられた。それを受けてASBJではSO等専門委員会を2002年5月に設置した。国際対応専門委員会等の常設専門委員会を除けば、自己株式、新年金対応、1株当たり利益に次いで4番目にできた専門委員会であった。

当時日本で、従業員にSOを無償で付与する実務慣行はなかった。その割には専門委員会の設置時期は早かった。ASBJ/FASF10年史には「2001年の商法改正に伴うSOの会計処理を検討する」とほぼ1行で専門委員会設置の目的が記されているが、設置を決定した際の委員会資料のほうが、我々の気持ちを正確に伝えている。

そこでは、「このテーマは各国の実務界において、その導入について強く反対されているテーマである一方、国際基準とのコンバージェンスを意識すべきテーマであること、また、わが国では貸方処理及び権利の失効、行使や不行使を巡って理論的に詰める必要があることから、慎重に審議を進めなければならない」としている。慎重な審議のために、財団側(FASF)が行う調査...