監査法人に対するモニタリングの進め方の見直し及び令和8事務年度監査事務所等モニタリング基本計画

公認会計士・監査審査会事務局 総務試験課 総括調整官 井上 健太郎
公認会計士・監査審査会事務局 審査検査課 公認会計士監査審査官 岡村 健史

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はじめに

公認会計士・監査審査会(以下「審査会」という。)は、公認会計士法に基づき平成16年4月に独立して職権を行使する機関として金融庁に設置され、監査法人に対する検査等のモニタリングや公認会計士試験の実施を通じて、監査の品質の維持・向上を図り、その信頼性を確保することで、資本市場の公平性と透明性を高めることを使命としている。

本稿では、本年7月17日に公表した「監査法人に対するモニタリングの進め方の見直し」を中心に、足元1年間(令和8年7月~令和9年6月)のモニタリングの着眼点などについて記載した「令和8事務年度監査事務所等モニタリング基本計画」の内容にも触れながら、主なポイントを紹介する。本文中のコメント部分においては、筆者の私見が含まれていることを申し添える。

なお、「モニタリング」とは、オンサイトのモニタリング(検査)と、オフサイトのモニタリングの両方を含む概念である。

Ⅰ モニタリングの進め方の見直しの背景

(会計不正事案の動向)

近年、会計不正事案が増加傾向にあり、新規上場会社やわが国を代表する大企業における事案など、社会的影響の大きい事案も発生している。これらの会計不正事案は、市場区...