会計基準の長い日々 第39回 会社法創設の機会に(その1)~トライアングル体制の終焉と役員賞与の決着
公認会計士 西川 郁生
会社法創設へ
会計ビッグバンの開始以降の90年代後半から、法務省は「(制度)会計のことは会計で決めてほしい」と言い始めていた。「商法における分配規制は商法側の問題であるが、開示規制に関しては、会計側が先に決定すべきもの」という立場をはっきりさせた。確かに、時の商法の動向を忖度していては、会計ビッグバンの円滑な導入はなされなかったであろう。
法務省の法制審議会・商法部会は、一連の商法改正とは別に、新たに商法の一部を抜き出して、会社法を創設する議論を行っていた。創設される会社法は、もともと、カタカナ文語体だった商法を、 ひらがな口語体とするという現代語化のプロジェクトとして、一般に伝えられていた。その議論を進める中で、直前までの商法改正に含められなかった実質的な改正が数多く含まれることになった。法務省は、部会による要綱試案や要綱案を経て、2005年2月に法制審議会総会決定として「会社法制の現代化に関する要綱」(以下、現代化要綱)、を公表した。
一連の流れを受けて、ASBJの事務局は、内部で議論を重ね、会計がとるべき方向について、会社法担当者とのコミュニケーションを取り始めた。その上で、2005年...
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