M&Aの経理実務を時系列で理解する 第13回 PPA確定後の遡及修正

‐会計処理・決算対応の要点‐

 公認会計士 角野崇雄

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1.はじめに

第10回(No.3760) から 第12回(No.3768) にかけて、PPA(Purchase Price Allocation)の準備、無形資産の識別・測定、会計監査人との質疑応答、PPA確定後の会計処理について解説してきた。 第12回 では、モデルケースであるP社によるS社買収について、顧客関連資産、特許権及び棚卸資産の評価を反映した結果、暫定的に3,500百万円であったのれんが1,715百万円となり、無形資産とのれんの償却額が連結損益計算書に影響を与えることを確認した。

もっとも、PPAの評価額が確定し、確定後の仕訳を一度計上すれば処理が完了するわけではない。今回のモデルケースのようにPPAの暫定的な会計処理の確定が企業結合年度ではなく企業結合の翌年度に行われた場合には、企業結合年度に当該確定が行われたかのように会計処理を行うこととされている(企業会計基準第21号「企業結合に関する会計基準」 注6 、企業会計基準適用指針第10号「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」 第70項 )。今回は、PPA確定後の遡及処理について解説する。

2.暫定的な会計処理と過年度遡及の考え...