会計知識録 第46回 決算日が過ぎても気が抜けない後発事象とは!?

~企業の会計・財務活動を解読~

 公認会計士 溝口 聖規

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1.はじめに

2025年11月、三井住友フィナンシャルグループ(以下、三井住友FG)は、最大1,500億円規模の自己株式取得および取得した自己株式の消却を決議しました。この内容は、2025年9月中間期の財務諸表において「重要な後発事象」として開示されています。

三井住友FGによる自己株式取得や消却は決算日後に決定された出来事であり、2025年9月末時点では存在していなかった事象です。それにもかかわらず、なぜ財務諸表に記載されるのでしょうか。

財務諸表は、3月決算であれば4月から翌年3月までの経営成績や、3月末時点の財政状態が報告されます。そのため、決算日後に発生した出来事は、本来であれば翌期の事象として取り扱われるはずです。しかし、投資家等の意思決定に重要な影響を及ぼす事象については、決算日後の出来事であっても財務諸表に開示する必要があります。また、中には決算日後に判明した事実であっても、その原因が決算日時点で既に存在していた場合には、当期の財務諸表を修正しなければならないケースもあります。

このように、決算日後に発生した企業の財務諸表に影響を及ぼす事象のことを「後発事象」と呼びます。後発事象...