令和8年金融商品取引法改正の解説

‐課徴金減算制度及び大量保有報告制度違反に係る課徴金に関する改正‐

金融庁 企画市場局 市場課 課長補佐 吉澤 匡登
金融庁 企画市場局 市場課 専門官 福原 亮輔

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Ⅰ はじめに

近年の証券取引等監視委員会による不公正取引等に関する調査においては、不正と考えられるものの既存の法令では違反行為として捕捉できない事例や、違反行為として捕捉できるが課徴金の額が低く、抑止効果として不十分な事例等がみられている。こうした事例を踏まえ、証券取引等監視委員会から「市場監視機能強化に向けた建議」(2025年6月20日)が行われた ①② 。

このような課題等に対応すべく、金融審議会に「市場制度ワーキング・グループ」が設置され、有価証券に関する不公正取引規制等の見直しについて審議が行われ、その結果が金融審議会「市場制度ワーキング・グループ」報告(2025年12月26日)(以下「本報告」という)として取りまとめられた。

本報告を踏まえ、有価証券に関する不公正取引規制等の見直しに関する改正を含む「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案」が2026年4月10日に第221回国会(特別会)に提出され、同年7月15日に成立し、同月23日に公布された。

本稿では、改正法による有価証券に関する不公正取引規制等の見直しに関する改正のうち課徴金減算制度及び大量保有報告制度違反に...