グループ企業内の合併や分割など、税法上で規定する適格再編が行われた場合、移転資産や負債は“簿価”により引き継がれ、課税が繰り延べられる点は既にお伝えしたところ。仮に、移転資産等について償却超過額や評価損など税務上の否認額がある場合には、移転資産等の帳簿価額に税務否認金相当額を加算又は減算した金額を、移転時の簿価としなければならないこととされている。
ところが実務上では、この簿価の修正(否認金の加算又は減算)を失念し、調査等で帳簿価額に誤りが判明するケースがみられるようだ。このような場合、言うまでもなく合併法人・被合併法人いずれも移転資産や負債の帳簿価額を修正しなければならないこととなる。
資産や負債の簿価を修正した場合、資本金等の額も修正が必要となり、資本金等の額をベースに算出する「寄附金の損金算入限度額の計算」等にも影響することとなるので、くれぐれも注意したいところだ。