土地区画整理事業中の土地に小規模宅地特例が認められるか否かについては、昨年1月23日の最高裁判決により、従前地・仮換地がともに使用が禁止されているなどの状況下では小規模宅地特例の適用を認めるべきとされた。これを受けて19年2月には国税庁から取扱いの見直しが公表され、その内容が措置法取扱いにも通達にも新設されたところだ(税務通信No.2958・2978号)
事件は福岡高等裁判所に差戻しとされていたが、このたびの判決で、納税者は生計を一にしている者には該当しないとして評価減は50%、評価額計算については仮換地ではなく従前地の面積を基準として計算すると判断されることになった(確定)。
この2つの判示のため、最終的に納税者主張の一部は退けられたわけだが、土地区画整理事業等で居住等していない宅地でも一定の場合には特例が適用できることになった点で意義のある事件となった。ただ、建物の建築中に相続開始になることもありうるため、本事案のように法令解釈による手当てだけでよいのか検討が必要との指摘もされている。