譲渡所得を計算するときの基本のキ<3分で読める税金の話>

譲渡所得を計算するときの基本のキ partⅡ はこちら
譲渡所得を計算するときの基本のキ partⅢ はこちら

不動産を売却したことで生じた所得を譲渡所得といいます。頻繁にあるわけでもないため、資産税専門の会計事務所に勤務している方以外はあまり経験がない方も多いかもしれません。今回は、譲渡所得を計算する場合に押さえておきたい基本項目をご紹介します。

譲渡所得は次の計算式で計算します。

譲渡所得=譲渡収入金額―(取得費+譲渡費用)-特別控除額(一定の場合)

譲渡収入金額を構成するものは?

譲渡収入金額は、買い手から受け取った額全額です。1月1日に売買をする方はそうそういないでしょうから、通常、固定資産税の精算も同時に行われ、売主が受け取った固定資産税の日割り分も譲渡収入金額となります。

取得費を構成するものは?

取得費は、売却した不動産の購入代金、購入手数料のほか改良費、土地の埋立てや土盛り、地ならしをするために支払った造成費用などです。建物の取得費は、購入代金又は建築代金などの合計額から減価償却費相当額を差し引いた金額となります。

この他に、土地や建物を購入(贈与、相続又は遺贈による取得も含みます。)したときに納めた登録免許税(司法書士に支払った登記費用も含みます。)、不動産取得税、印紙税なども取得費となります。ただし、事業の用に供されていた資産の場合には、これらの費用は事業所得を計算するとき既に必要経費に算入されていますので、ここでは取得費とできないことに注意してください。

譲渡費用を構成するものは?

譲渡費用とは、土地や建物を売るために直接かかった費用のことです。主なものとしては、土地や建物を売るために支払った仲介手数料、印紙税で売主が負担したもの、土地などを売るためにその上の建物を取り壊したときの取壊し費用とその建物の損失額などがあります。

取得費がわからない場合

譲渡費用は売却時期に支出するため把握しやすいのですが、売却した不動産が何十年も昔に購入したものであったり、先祖代々のものであるため取得費が不明の場合、取得費の額を売った金額の5%相当額とすることができます。これを概算取得費といいます。

概算取得費と実際の取得費は併用できない

概算取得費は実際の取得費との併用はできません。非事業用不動産の不動産取得税は取得費として控除することが可能ですが、概算取得費5%に不動産取得税をプラスして控除することは認められず、概算取得費と不動産取得税を比較してどちらで控除した方が有利かを考える必要があります。

改良費、造成費は場合によっては譲渡費用となることも

先祖代々の購入価額の不明な畑を売却するときに整地する場合がありますが、このような土地の造成費、改良費は土地の価値を高めますので、原則としては取得費を構成します。そのため、通常は概算取得費と造成費、改良費を比較して有利な方を控除となりますが、売買契約書の特約事項に土地の改良を売主の負担で行うことが条件として書かれている場合は、土地の改良をしないと売却できないわけですから、譲渡費用とみることが可能な場合もあります。改良費が譲渡費用となるのであれば、取得費は概算取得費を使うことができますので、契約書、土地改良の時期をチェックすることが重要となります。

特別控除とは?

譲渡所得計算式の最後の「特別控除」ですが、土地建物が収用された場合やマイホームを売却した場合など、要件を満たした場合に控除が受けられます。こちらについてはPart3にて詳しくご説明します。

次回は、譲渡所得の税率と長短の判定についてご説明します。

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