訴訟中に相続開始となり、取消判決確定による還付金が相続財産として課税されたことで争われていた事件で、大分地方裁判所民事第2部(一志泰滋裁判長)は2月4日、一時所得とした納税者の主張を全面的に認める判決を行なった(平成17年(行ウ)13号)。
この還付金について国側は、所得税更正処分の取消訴訟を提起していた被相続人の当事者の地位を承継した原告が相続により取得した財産であるとして更正処分をしたが、原告側は、過納金の還付請求権は原始的に原告に帰属するもので相続財産ではないと主張、過納金の還付請求権と、別件更正処分取消訴訟の原告の地位が相続財産であるのかが争われていた。裁判所は、過納金に係る還付金は本来相続財産に含まれないとして、国側の更正処分は違法との判断を示した。
税務訴訟が長くかかれば原告の死亡後に取消判決が確定することもある。本件ではそうした場合の還付金等が相続財産に該当するかを争点とし、納税者の主張が認められたものとして注目される。