無道路地を評価するにあたり、通路開設補正を適用すべきか否かを巡り争われた事件で、最高裁は「無道路地が同一の所有者に帰属する場合には、通路開設補正は適用しない」とし、東京高裁の判決を一部取り消すとともに自治体の取扱いを適法とする判決を下した(平成19年1月19日判決 平成16(行ヒ)253)。
東京高裁では、「同一所有者の土地を利用して街路への通路としている場合につき、通路開設補正率の適用自体を否定することはできない。通路開設補正を適用すべきである」として、納税者の主張を認める判断が下されていた。
しかし、最高裁では「現に自己所有地を通路として使用している場合は、新たに公路に接続させる通路を確保するための費用及び期間は要しないのであるから、通路開設補正を適用しない取扱いをすることも許される」として、高裁の判断を破棄している。