2019/02/19 13:31
そこで「標準原価方式」でトラブルを防ぐ提案も...
ソフトウェアの開発費を巡る税務調査でトラブルになりやすい点の2番目は取得原価に算入すべき人件費の範囲の問題だ。
周知のように自社開発ソフトの制作・改修等には、単純な開発部門だけでなく社内の様々な部門の社員が関わらざるを得ないのが現状だ。
会社側にすればどの部門の協力が欠けてもソフト開発は成り立たないとの観点から、どうしても開発原価に算入する人件費の範囲が広くなりがちといえる。そこをベテラン調査官が見逃すはずもなく、「直してください」「いやちょっとそれは...」といったトラブルが頻繁に発生しているという。
標準原価を調整して適性額を計上する方法でトラブルを防ぐ
この問題は企業懇話会の部会参加企業にほぼ共通の悩みで、これまでは何となく調査官の修正要求に応じてきたケースがほとんどだという。
しかし、今回ある企業から、事態打開のためのアイデアとして自社のソフトの開発には、平均するとA部門からこの階層の人間が何人・B部門からは別階層の人間が何人関わるといったいわば「標準原価」のようなものを作成しておく。そして、実際のソフト開発にあたってはソフトの性質等に応じて部門や階層の調整を行ったうえで適正な人件費を計上するといった方法は可能だろうかとの提案があった。
ただし事前に調査官との話し合いで合意を得る必要はある
部会ではこの方法について、かつて敏腕国税調査官として実際にソフトウェアの調査にあたった経験を持つ講師を交えて検討が行われた。そこでは、原価の額について修正を求める調査官の側でも、実際にはこれが正しいとの数値を示すのは大変な手間を要するとの背景などが説明された。
それだけに、提案の「標準原価」方式などは、事前に調査官と話し合いのうえで合意を得ておけばトラブル防止に有効な方式ではないかとの結論を得たところである。
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