国内企業の一部では既に排出クレジットの取引が開始されている。この取引に係る会計上の取扱いについては、平成18年7月に企業会計基準委員会が公表した『排出量取引の会計処理に関する当面の取扱い』で明らかにされているが、税務上の取扱いについてはまだ明らかにされていない。
環境省はこのほど、排出クレジットに係る税務上の取扱いを明らかにするために、国税庁に対して事前照会を行う方針であることを明らかにしたが、時期は「未定」としており、当面は税務上の取扱いが明らかになることはない模様だ。
したがって当面は、『排出量取引の会計処理に関する当面の取扱い』で示されているように、排出クレジットを企業が他社から購入する場合、(1)将来の自社使用を見込んで排出クレジットを取得する場合は取得時において「無形固定資産」又は「投資その他の資産」として資産計上、(2)第三者に販売する目的で排出クレジットを取得する場合は、取得時において「棚卸資産」として資産計上するなど、会計上の取扱いに従う形で暫定的に税務処理を行うしかないだろう。