企業が新設合併を行う場合、旧商法下の実務では、被合併法人の資産・負債が新設合併法人に移転する日である「合併期日」と新設合併法人が成立する日(設立登記の日)とに乖離が生ずることもあったが、会社法においては、新設合併法人はその成立の日に消滅する被合併法人の権利義務を承継することとされたため、税務上、事業年度がどのように取り扱われるかという点について疑義が生じていた。
この点について、本誌が確認したところ、会社法の規定及び登記実務から、こうしたケースで、従来、新設合併法人の「設立期間中」の損益として取り扱われていた部分は、被合併法人の「みなし事業年度」の損益として取り扱うこととされ、通達改正にその旨が盛り込まれる見込みであることが明らかとなった。
新設合併の場合、本年は4月1日が日曜日となる関係で、登記を4月2日に行う場合には税務上、4月の1日、当日だけを一事業年度(みなし事業年度)とした申告書も必要となるので実務上留意されたい。