国税庁は3月16日、文書回答事例「相続等により取得した種類株式の評価について(照会)」を公表した。中小企業庁からの事前照会に2月26日付けで回答されたもの。
これにより、中小企業の事業承継対策で実際に導入が見込まれる(1)配当優先の無議決権株式、(2)社債類似株式、(3)拒否権付株式の3種類の種類株式について評価の取扱いが明確化されることとなった。
配当優先の無議決権株式は、普通株式と同様に純資産価額方式等での評価が原則となるが、納税者の選択により、無議決権株式は普通株式の評価額から5%の評価減を行い、その減額分を議決権株式に加算して評価する方法が採用できる。事業承継対策としてあらかじめ配当優先の無議決権株式を発行し、事業後継者が普通株式、非後継者が無議決権株式を相続することで、議決権の拡散防止、後継者の会社支配権の維持が可能となり、円滑な事業承継につながると期待されている。