医療法人の出資評価で納税者が逆転勝訴~東京高裁・運用財産だけの出資評価認む

 東京高等裁判所第21民事部(濱野惺裁判長)は2008年3月27日、社団医療法人の増資時の出資評価を巡る争いで、運用財産のみで評価した納税者の主張を認める判決を行った。増資を著しく低い価額で引き受けたとして贈与税決定処分を受けた納税者が取消しを求めていたもので、一審の横浜地裁では請求を棄却していた(No.3004、39頁)。

 東京高裁は、医療法の規定と、本件医療法人が定款によって、退社時には運用財産について出資額に応じた払戻し請求ができること、解散時の基本財産は国等に帰属するとしていることなどから、出資持分の評価にあたり、基本財産と運用財産とを区分しないのは相当でないと判断して国側の主張を全面的に退けた。

 また、脱税目的の区分は重加算税の対象となると指摘したが、租税回避に該当しても同族会社の行為計算否認に該当しなければ、財産を全体で評価する取扱いを一律に適用して否認することは許されないとした。
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