3062号でお伝えしたように、今後は不動産投資信託法人(REIT)同士の合併機運の高まりが見込まれるが、これを受け平成21年度税制改正では、①導管体判定要件のベースを「配当可能所得」から「配当可能利益」に見直し、②その上で、合併時に生じる負ののれんは「配当可能利益」に概ね含めないこととし(=負ののれんを一時に全額計上しないこととし)、③また、合併法人側が支払う「配当見合いの合併交付金」は被合併法人側の損金算入対象とするなど、「投資法人に係る課税の特例(措法67の15)の一部を見直している。
一定の要件の下、不動産投資法人が共同事業要件をクリアした適格合併を行える点は、国税庁が先般公表した文書回答で整理されているが(3062号参照)、仮に適格合併を行えたとしても、会計上多額の負ののれんが計上される場面では、税法上の規定の利用方法次第では導管体判定要件をクリアできず、法人税課税の問題が生じる可能性があるので、導改正の内容には気をつけたいところだ。
なお、以下の図では、説明を簡略化するため改正税法の詳細等は省いている。