本誌No.2964で既報のとおり、平成18年度の法人税関係法令の改正に係る通達の改正では、役員退職給与の損金算入時期に関する通達の整備が行われた。
一方、大手企業を中心に役員退職慰労金制度を廃止する動きがあり、そうした企業では、制度廃止時に在任中の役員に対して、在任期間に対応する役員退職慰労金を打切り支給し、支給時期を退任時とするのが一般的であるといわれ、役員退職給与を損金算入する場合には、実際に退職給与を支給する役員が退任する事業年度において、損金経理を行う必要があるかといった疑問の声があるようだ。
しかし、税務上、このような停止条件付の役員退職給与の打切り支給では、債務が確定するのは、制度の廃止時ではなく、実際に役員賞与を支給する退任時点となるため、損金経理は要しないこととなるようだ。