独立公認会計士インタビュー『わたしの働き方』公認会計士YouTuber 白井敬祐氏

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【編集部より】

 独立して活躍する公認会計士の方々に働き方などを聞く本コーナー。今回は「公認会計士YouTuberくろい」として人気の白井敬祐氏が登場。人前で話すことが苦手だったという白井氏はなぜ動画配信を続けるのか。仕事への情熱を聞いた。

──まずは会計士を目指したきっかけを教えてください。
 大学では全く勉強せず、体育会のアイスホッケー部で練習漬けの毎日を送っていました。3年生になって就職活動が始まりましたが、人と話すことが苦手で、何のスキルもない自分は社会で活躍できないかもしれないと悩んでいました。そのとき、所属していたゼミの先生がこう言ったんです。「世の中で勉強が仕事に直結する仕事が3つある。医者、弁護士、そして公認会計士だ」と。衝撃を受けました。こんな自分でも勉強なら他の人に勝てるんじゃないか。負けず嫌いも根本にあり、勉強するほど社会に貢献できると知って目指すことを決めました。
 大学院に進み、3年半ほど猛勉強しました。起きてから寝るまで勉強の日々で相当辛かったですね。予備校の講座に通っていましたが、受講生がどんどん減っていくんです。ハードだった分、合格した時は本当に嬉しかったです。

──その後、監査法人や事業会社などに勤めていますが、印象的な出来事はありましたか。
 まず中小監査法人に入所し、その後2つの大手監査法人に務めたのですが、特に新鮮だったのは事業会社に出向した時のことです。それまで僕はIFRSコンサルタントとしてIFRS導入のアドバイスなどを行い、問題解決に導く仕事にやりがいを感じていました。ところが出向先でコンサルを受ける立場になり、アドバイスが全く響かなかったんです。あるべき論を語られても経理業務は回らないと気付き、今まで自分がしてきたことは喜ばれていなかったのではないかと思うようになりました。立場が変わって見える世界も変わったんですね。
 事業会社に転職後は当事者意識を持って考えるようになりました。例えばコンサルからIFRS第16号対応のシステム導入を提案された時、導入のコストや業務フロー変更が課題になりました。しかし、リースの重要性が低い会社だったので、そこにお金と労力をかけるわけにはいかず、既存のシステムや業務フローを応用して対応しました。自分事として提案し、実行できたのは成長できた点だと思います。

──なぜYouTuberを目指したのですか。
 監査法人時代は研修講師を務めたことがありましたが、当時は人前で話すことが苦手で、手も声も震えて本当に嫌でした。それでも講義で受講生が納得した顔をしてくれると嬉しくなり、人に教える仕事が自分に合っているのではないかと思い始めました。これがターニングポイントです。
 事業会社の経理部では人前で話す機会もなく、副業で講師をしてみようと思いましたが、なかなか採用されませんでした。そんな時、ある税理士のYouTubeチャンネルを見たらすごく面白くて、こういう場でも活躍できると知って早速やってみました。まず簿記3級の勉強用の動画を3日かけて作成しました。最初は10回くらいしか再生されませんでしたが、自分の世界を作っている感じが気に入って続けていくと少しずつ人気が出始めたようです。ある企業の決算の解説動画が注目され、さらに会計士試験の受験生向けに自分の体験談を話したものが一番反響がありました。みんなが気になる収入や働く環境、そしてお金を稼ぐのは辛いことだと発信し、「くろいさんを見て会計士を目指すようになった」とコメントしてくれる人も出てきました。

──苦手だと思っていたことが得意に変わり、新たな道を拓きましたね。
 視聴者からのコメントが一番のやりがいです。道に迷っている受験生がいたら自分の姿を見せて、一人でも多くの会計士を輩出したいと思っています。僕はYouTubeを通して人生が好転し、今ではCPA会計学院の講師も務めていますが、いいものを提供すればいいものが自分に返ってくると思って続けています。

──今後の目標は何でしょうか。
 会計士の普及が一番です。資格をアピールするために自分自身を輝かせて、活躍する姿を通じて会計士を目指す人を増やしたいです。
 そのための短期的な目標は、自分が世間で一番有名な公認会計士になることです。林修先生みたいにテレビで人気爆発といきたいですね。そのために今は自分のチャンネルを増やす段階にいます。
 長期的には自分の商品を持ちたいと思っています。例えば会計を楽しく学べるゲームなどが考えられます。そのためにもまずは自分が有名になってブランドを作りたいです。結果、会計士人口が増えれば社会貢献にもなると思います。

──若手の会計士に向けてメッセージをお願いします。
 とにかくチャレンジしてほしいです。僕もチャレンジを続けた結果ここまで来ましたし、独立が自分の人生のソリューションになりました。失敗を恐れて行動を起こせない人もいると思いますが、そこをぶち破ると人生が変わります。僕も最初は講師業が嫌でしたが、殻をぶち破ったから今の自分がいます。嫌なことにも積極的に挑戦し、色々なことを試して自分に合う仕事を確かめる過程が必要です。会計士の資格さえあれば失敗しても何とかなります。縮こまらず、チャレンジを続けてほしいと思います。


略歴:
白井 敬祐(しらい けいすけ)氏
2011年に公認会計士試験合格後、清和監査法人で監査業務に従事。その後、新日本有限責任監査法人および有限責任監査法人トーマツでIFRSアドバイザリー業務に従事し、リクルートホールディングスの経理部に所属。2021年に独立開業し、CPA会計学院の講師、近畿大学経営学部の非常勤講師を務める。公認会計士YouTuberくろいちゃんねる運営(本年5月末時点で登録者数2万3,000人)。
YouTube:https://www.youtube.com/c/kuroi-cpa

書籍紹介:
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