居住者、非居住者の判定が問題となり税務訴訟に至った事例が注目されたが、日本企業の役員や使用人が海外の子会社や支店に勤務する場合に注意が必要となるケースもある。
例えば、海外に勤務する日本企業の役員や使用人が受け取る給与等については、国外の勤務に基因して支払われるものだが、役員か使用人かによっては、その取扱いが異なる。
日本にある本社から、海外にある日本企業の支店等に勤務する者の給与が支払われている場合、勤務地が海外であり、日本の所得税法が適用されることはない。しかしながら、役員に対して支払われる場合には日本国内で生じたものとして、支払の際に源泉徴収が必要となる。そして、この場合、外国で課税を受けても、日本の居住者の場合、日本の国内源泉所得であるため、外国税額控除を受けることはできない。