非居住者による国内不動産貸付対価の源泉徴収免除の適否で裁決~マスターリースを介した転貸は「代理人PEを通じた事業」には当たらず

国税不服審判所は、このほど平成28年10月から12月までの9事例を新たに公表しましたが、その中で、非居住者による国内不動産の貸付対価に係る源泉徴収の免除特例の適否を巡り争われた事件があります。

非居住者である請求人は、本件貸付は、国内事業者とのマスターリース契約を介して賃借人に転貸されていることから「国内の代理人PEを通じて行う事業」であると主張。所得税法第214条①三により源泉徴収は免除されるべきであるとして、免除申請を却下した原処分の取り消しを求めていました。

これに対し審判所は、まず「所得税法における事業の意義」について、「営利性・有償性の有無、継続性・反復性の有無、自己の危険と計算における企画遂行性の有無、その取引に費やした精神的肉体的労力の程度、人的・物的設備の有無、その取引の目的、その者の職歴、社会的地位・生活状況などの諸点を総合して、社会通念上事業といい得るか否かによって判断されるべき」との原則を示しました。

そのうえで本件貸付については、請求人と国内事業者との間のマスターリース契約の内容からすると「本件各物件の貸付けに関する請求人の危険と計算における企画遂行性及び精神的肉体的労力の程度が大きいとはいえず、請求人が本件各物件の貸付けのための人的・物的設備を有しているとも認められない」としました。

結論として「請求人による本件各物件の貸付けは、所得税法上、事業とはいえないことから、請求人が本件各物件の貸付けにより支払を受ける賃貸料等は、代理人等を通じて行う事業に帰せられる国内源泉所得に該当しない」との判断により審査請求を棄却しています(平成28年12月20日裁決・棄却(※国税不服審判所のページへ移動))。

提供元:kokusaizeimu.com