独立公認会計士インタビュー『わたしの働き方』小駒望公認会計士事務所 代表 小駒望 氏

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1 「武器になる」資格の取得
─小駒さんが会計士を目指したきっかけを教えてください。
会計士という仕事を,もともと知っていて目指したわけではありませんでした。私は海外に行っていたことで大学への入学が遅かったのですが,その遅れは就職活動をする際に不利だと思っていました。その中で社会に出る上で武器となるものを備えておいたほうがいいと考えて資格の取得を目指しました。最初は簿記から始め,1級に合格した後,学生で時間もあったので公認会計士を目指そうと思いました。

─これまでのキャリアと,現在のお仕事について教えていただけますか。
会計士試験に合格してから監査法人に勤務し,国内法人の監査をしていました。2年ほどで転職し,ファンドの運営の会社に移りました。主に投資先の財務・税務面の検討と,バリュエーションという事業価値算定を中心にやっていました。

現在の仕事は,多くが法人・個人の税務顧問と決算対応などです。他にも会社の社外役員や国際税務に関するお仕事もさせて頂いていて,今後はこの2つの分野にも力を入れていきたいなと思っているところです。

2 仕事と「うまく付き合う」ように
─小駒さんは独立されていて,お子さんもいらっしゃいます。働き方というものについてどのようなお考えをお持ちでしょうか。
監査法人やファンド運営の会社にいる時は残業で帰宅時間が日付を超えることも間々ありましたし,仕事が楽しかったのでそれに違和感を覚えずに取り組んでいました。しかし、子どもが産まれてからは働き方や働く時間についての考え方が大きく変わりました。仕事は人生におけるひとつの重要な構成要素であって,それだけが主であるべきではなく,生活全体のバランスを取りながら取り組んでいきたいと考えるようになりました。今は、残業はほとんどせず子供のお迎えに間に合うように退勤しています。

─それは大きな変化ですね。事務所の皆さんもですか。
皆さんそうです。残業はほとんどないですよ。もし恒常的に残業が出るのなら,それは何か問題点があるはずだから,そこを洗い出して解決するようにします。事務所のメンバーがフルタイムで働くのは難しいという状況であれば、業務の配分を見直し、時間短縮や勤務日数を減らすなど,その方の状況に応じて柔軟に対応しています。

─独立のメリットはどんな点ですか。
最大のメリットは,時間が自由になることと、やりがいです。責任を全て自分が負うことになりますが,それに対するやりがいもその分ついてきます。
今,自分で独立して,直接お客様とのやりとりをする中で,この業務は明確にお客様のためになるということがわかります。感謝の言葉を直接いただけるので,自分のやったことが役に立っているなというのを実感でき,やりがいを感じます。

─現在はメンバーを9人抱えるまでになりましたが,職場の環境作りで意識していることはありますか。
会計事務所はサービス業だと考えています。サービス業においては「人」がとても大切です。できるだけいい人に事務所のメンバーに加わってもらいたい,そのためには事務所としての売りが必要だと考え,「働きやすさ」の整備に注力するようになりました。 まず,勤務日数・時間を柔軟に設定しました。また,最低でも年2回はスタッフと2人で話す機会を設けて,個人の要望を詳しく聞くことにしています。小さな不満も時間が経つと育っていくので,大きくなる前に対処することができます。

3 女性は会計士に向いている!
─日本公認会計士協会の東京会で「後進育成部」に所属されていますが,どのような活動をされていますか。
後進育成部は,若手の会計士や準会員、受験者等に対しての情報提供や活動支援などに注力しています。青年部及び準会員会に対して,活動の承認や管理監督をするなど,東京会の本部との繋ぎ役となっています。

─若手の会計士や会計士を目指している人たちに,自分の進む道を決める上でのアドバイスをお願いします。
私としては,自分の人生形成において資格を取ってとても良かったと思っています。資格がなければできない業務や,関与できない人たちと話をする機会があります。身の回りにいる先輩方の話を聞いて,有効に活用して欲しいです。

─女性にとって会計士の仕事はどのようなものでしょうか。
会計士は,ライフイベントで仕事から離れる機会があっても復帰しやすく、女性に向いている資格だと感じます。また,業務では、必要なタイミングで必要な気配り・ケアをするなど,お客様の面倒を見なければいけない場面や,継続・持久力が必要な場面が多くあります。そういったことを得意とする方は女性に多く、その点からも女性に向いている資格だと思います。


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小駒 望(こごま・のぞみ)氏

小駒望公認会計士事務所代表
大手監査法人,投資ファンド運営会社勤務を経て,2010年11月に独立。日本公認会計士協会東京会の後進育成部員,東京税理士会の国際部委員などを務める。