「非上場株式の相続税・贈与税納税猶予制度」については,「経営承継円滑化法」の趣旨に則り,事業実態がない「資産保有型会社」や「資産運用型会社」は適用対象外とされている。
資産保有型会社は,条文上「政令で定める期間(納税猶予を受けている期間)内のいずれかの日において総資産に特定資産の割合が70%以上の会社」をいうとされていることから,納税猶予期間中に融資を受ける等して,瞬間的に特定資産である現預金等が増えただけでも資産保有型会社に該当して納税猶予が取り止めとされてしまうのではないかと考える向きがあるようだ。
本誌が確認したところ,期間中,たとえ一日でも上記割合が70%以上となれば,規定上は,資産保有型会社に該当することになるが,この規定は,そもそも事業実態のない資産保有型会社等を除外するためのものなので,別途,事業実態要件を充足していれば納税猶予の対象となることが判明した。