2019/08/06 9:04
公認会計士協会は「令和2年度税制改正意見・要望書」を公表しました。
平成30年度税制改正では、外国子会社合算税制において、海外企業グループの買収等に伴うその後のグループ内再編において、海外子会社等の株式譲渡益が生じた場合には、一定の要件を満たすことを条件に当該譲渡益を合算対象所得から除外することが手当されました。
しかしながら、同協会では、「海外企業グループの買収等に伴って行われる海外子会社等の株式譲渡には、買収直後のグループ内再編によるものだけではなく、海外子会社所在地国の法令や当局からの命令に基づいて行われることもある。」とし、具体例として、「グループ買収等を承認する条件として、海外子会社所在地国の独占禁止法に基づき、一定の市場シェアを占める当該グループ内企業株式の譲渡を求められる場合」などを挙げています。
このような海外子会社所在地国の法令や当局からの命令に基づいて生じることとなった株式譲渡益についても合算対象所得から控除することを求めています。
〇以下が要望一覧
(1)外国子会社合算税制における経済活動基準を、我が国企業の経済活動の多様化に合わせて見直すこと
(2)外国子会社合算税制における買収直後の一定の株式譲渡益を合算対象所得から控除すること
(3)外国税額控除について、控除限度超過額等の繰越期間を10年程度に延長すること
(4)外国税額控除の対象となる外国税額等の範囲について一定の指針を示すこと
(5)人的役務提供事業に該当する「専門的知識又は特別の技能を有する者」について一定の指針を示すこと
(6)外国法人から我が国の株主への資産の分配に関する課税関係について一定の指針を示すこと
(7)租税条約の濫用防止規定に係る適用において、源泉徴収義務者が知り得ない事由に基づいて不納付となった場合には、不納付加算税を宥恕すること